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夏の名残の鮎を食べましたよ。 工事部神宮寺

2023.10.11

こんにちは。

熱帯魚屋さんなのに魚食ってばかりいる神宮寺です。

ごくごく一部の方からは好評いただいておりますので、また性懲りもなく筆を執りました次第です。

 

今回は三重県に住む友人から天然の鮎を送ってもらったので、いろいろ調理して食べてみました。

三重県は伊勢市に流れる横輪川という川で引っ掛け釣りにて釣獲されたものです。

サイズは16~20cm程。夏が終わり産卵の時期に移行し、お腹にオレンジのさび色が出てきたものを落ち鮎と言います。

産卵を終えると上流から下流に下っていくのでそう呼ばれるようです。また婚姻色のオレンジ色を鉄錆び色に準えて錆び鮎なんて言ったりします。

オシャレな言い回しですよね。

夏の盛りには餌であるコケを沢山食べて脂がのり身にも張りがあります。またキュウリウオと呼ばれることもある程、ウリのような清々しい香りがします。

これは正に鮎の最大の特徴と言えます。そんな夏の旬を過ぎた今時期、身に蓄えた栄養が卵や白子に移ります。

また香りは少し控えめになり、その分出汁が良く出ます。そんな季節の移ろいを鮎を食べて感じられると言うのもまた乙なもんですよね。

 

【塩焼き】

シンプルに塩焼きにしてみました。下に敷いてある南天は庭に生えてたやつです。カッコいいので添えてみました。

それっぽいでしょ?笑

今回内臓は出してくれていたので、身だけになります。ワタ入りならそのまま焼いて少し腹の所に切れ目を入れてやると、火が入って膨れた卵がプゥーっと出てきて、それが焦げるとまた美味しいんですよ。

先述の通り、盛夏の鮎より一段香りは劣りますが、それでも一夏を乗り越えた逞しい鮎の香りがします。雨が降ったり降らなかったり、ほんの少しの加減で香りが繊細に変化する鮎を楽しめるのは日本人の特権だと思います。旨味の強い美味しい鮎でした。

 

次はから揚げにするのに開いてみました。腹骨を梳いて見えるこの薄っすらとしたオレンジ色が落ち鮎の色です。外側より内側の方がしっかり見えますね。

これは今回初めて知りました。これから秋~晩秋に向けて更に色が深くなっていく事でしょう。

小ぶりの物は開かずに丸まま片栗粉を薄く叩いて、、、。

ヒレを開かせて立たせるとこれだけでもカッコいい。

食材となって尚カッコいい。調理される前なのに既にカッコいい。

鮎はカッコいい魚なんです。

【鮎 から揚げ 丸のと開いたのと】

16cmくらいの小さい物は軽く洗って丸揚げにしました。ヒレや小骨もサクッとして小気味良く、また香ばしさも加わってとても美味しいです。

20cm程の物は開いて骨を梳いて揚げてみました。身が開かれて薄い分火の通りが早い分丸揚げより幾分かしっとりふっくらしました。

骨が当たらないので妻と子供にはこちらが好評でしたが、私はツマミにするので香ばしい丸揚げが好みでした。

【鮎 天ぷら 子の巻き揚げ】

から揚げで開いたののついでに天ぷらにもしてみました。

白子と真子が付いていたのでこれを巻き込んで楊枝で止めて揚げています。

白子はトロ―っと、真子はプチプチほくほくと。これにワタもあれば苦味と旨味が追加されて言う事無しだったでしょうね。

【骨せんべい】

開いて出たアラも無駄にせず、、、。

他の調理をしている間に低温の油の中に放り込んで置いて、パチパチと音がしなくなったら引き揚げます。

カリカリ食感のいいツマミです。

鮎は捨てるところがないんですね~ほんとに。

最後に自己責任で生食です。※横川吸虫という寄生虫に中(アタ)る可能性がありますのでオススメはしません。

ヒレとワタを取って丸ごと輪切り(小口?)に切る調理法を背切りと言います。

これを塩と酢で好みの加減にし、塩揉みしたキュウリと和えます。

今回は仏手柑という高知名産の旬の柑橘があったのでこれをダーっと絞りました。

皿に盛って上から仏手柑の皮を削って散らせば完成です。

【鮎 背切り】

生の鮎の香りは加熱のそれとはまた趣きが異なります。野趣あふれる風味と、それに負けない柑橘を合わせキュウリが間を取り持つ。

こういうのが現地の漁師さんの間で食べ継がれてきた本当のアユ料理なんだと思います。見様見真似でやってみましたがよくできたと思います。

鮎の味がとてもよく分かるので、また時期と産地を変えて色々食べ比べてみたいと思います。あくまでも自己責任で。

 

まとめ

今年も良い鮎を食べる事が出来ました。送ってくれた友人に感謝します。

山梨でも鮎は取れますが基本的に養殖物の放流です。これはこれで美味しいですが、海から遡上してきた天然ものとは別物ですね。

その土地の海で生まれ川を登り、その川の水を飲んで育った鮎はその地域特有の味になるんだと思います。

地域河川別の鮎の食味の品評会がある程ですので。

年々いい物は取れなくなっていると言います。(数もサイズも質も

良いものが食べれる内に食べておきたいとという反面、少しでも状況を良くしてこれからも食べ続けていきたいとも思います。

来年の鮎はどんな味かなぁ~。。。

 

終わり

 

おまけ:撮影風景です。まな板に料理を乗せ、照明代わりに三脚に水槽用のライトを置いています。

こんなことばっかやってます。一円にもならないただの趣味です。

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